猫ちゃんと長い年月を一緒に過ごしていると、いつの間にか、その子がご家族様の日常の一部になっていることがあります。
朝起きればいつもの場所にいる。
ご飯の時間になると近くへ来る。
お気に入りの場所で眠り、家の中を歩き、時には柱で爪を研いだり、壁紙を傷つけてしまったりする。
若い頃には困ったと思っていたことも、年齢を重ねてから振り返ると、その一つひとつが大切な思い出になっていることがあります。
ペットセレモニーモアナがお見送りにお伺いする中でも、20歳を超えてご家族様と長い時間を過ごされた猫ちゃんにお会いすることは少なくありません。
長く一緒に過ごしたからこそ、
「この子がいなくなることを考えられない」
「何をしてあげればいいのだろう」
「どこまで治療を続けてあげることが、この子のためなのだろう」
と悩まれるご家族様もいらっしゃいます。
老猫ちゃんの看取りには、決まった正解があるわけではありません。
大切なのは、猫ちゃんの様子を見ながら、かかりつけの動物病院とも相談し、ご家族様がその子にしてあげたいことを一つずつ考えていくことではないでしょうか。
この記事では、実際のお見送りでご家族様から伺ったお話も交えながら、老猫ちゃんと最期まで穏やかに過ごすために考えておきたいことをご案内いたします。
長く一緒に暮らした猫ちゃんだからこそ、変化に気づきにくいことがあります

若い頃と比べて、猫ちゃんは少しずつ生活の仕方が変わっていきます。
眠っている時間が増えたり、高いところへ上がらなくなったり、以前ほど活発に動かなくなったりすることがあります。
しかし、長く一緒に暮らしていると、
「もう年だから仕方ないのかな」
「最近はいつもこんな感じだから」
と、毎日の小さな変化を年齢によるものとして受け止めてしまうこともあります。
年齢による変化なのか、体調によるものなのか迷うこともあります
猫ちゃんは体調の変化が分かりにくいこともあり、高齢になるほど「年齢による変化」と「体調による変化」の区別が難しくなることがあります。
ご家族様がすべてをご自身で判断する必要はありません。
「いつもと少し違うような気がする」
「最近、これまでと違う場所で過ごすことが増えた」
そんな小さなことでも、気になる場合には、かかりつけの動物病院へ相談してみることが大切です。
猫ちゃんの不調の気づきにくさや、突然のお別れについては、「ペットの突然死についての記事」で詳しくご案内しております。
老猫ちゃんが過ごしやすい場所を、その子に合わせて考えてあげる

高齢になった猫ちゃんは、若い頃と同じように生活できなくなることがあります。
以前は簡単に上がっていたお気に入りの場所へ上がれなくなることもあります。
トイレのちょっとした段差が負担になることもあります。
また、ご家族様のそばにいたがる子もいれば、静かな場所や人目につきにくいところで過ごしたがる子もいます。
高い場所へ上がれなくなったとき
猫ちゃんは高い場所を好むことがあります。
窓辺や棚、ソファー、ベッドなど、長年お気に入りだった場所がある子も多いと思います。
年齢を重ねると、上ることはできても下りるときに不安定になったり、以前のようにジャンプできなくなったりすることがあります。
そのような場合は、いつもの場所を急に取り上げるのではなく、低い台などを使って移動しやすくしたり、同じように落ち着ける場所を低い位置につくってあげたりする方法もあります。
大切なのは、「高齢だからこうしなければならない」と決めるのではなく、その子が今どこで安心して過ごしているのかを見てあげることだと思います。
トイレの段差も小さな負担になることがあります
若い頃には何でもなかったトイレの縁が、老猫ちゃんにとって入りにくくなることもあります。
トイレへ行こうとしているのに入りづらそうにしていないか。
いつもと違う場所で排泄するようになっていないか。
そのような変化がある場合には、猫ちゃんの状態に合わせた環境について、動物病院へ相談してみてもよいと思います。
静かに隠れられる場所も残してあげる
心配だからと、ずっと目の届く場所にいてほしいと思われることもあると思います。
ただ、猫ちゃんの中には、体調がすぐれないときほど静かな場所へ移動したがる子もいます。
普段から好んでいる場所が安全であるなら、無理に出そうとせず、落ち着いて過ごせる場所として残してあげることも一つです。
抱っこや触れ方も、その日の様子を見ながら

長く一緒に暮らした猫ちゃんだからこそ、
「できるだけ抱っこしてあげたい」
「ずっと撫でていてあげたい」
と思われるご家族様もいらっしゃいます。
一方で、体調やその日の様子によっては、触れられることを負担に感じることもあります。
昨日は抱っこを喜んでいたのに、今日は静かに一人でいたがる。
そのようなこともあるかもしれません。
ご家族様の「してあげたい」というお気持ちと同じくらい、猫ちゃんが「今どうしたいのか」を見てあげることも大切だと思います。
そばに座って声をかけるだけでもよいことがあります。
いつものように名前を呼んであげることもできます。
猫ちゃんとの距離は、その子と長く暮らしてきたご家族様だからこそ分かるものもあるのではないでしょうか。
一緒に暮らしているほかの猫ちゃんやペットちゃんがいる場合

多頭飼いのご家庭では、老猫ちゃんだけでなく、一緒に暮らしているほかの子たちの様子も気になるところです。
いつも一緒に寝ていた子。
少し距離を置いて過ごしていた子。
若い頃からずっと同じ家で暮らしてきた子。
関係はそれぞれ違います。
老猫ちゃんが静かに過ごしたいときに、若い猫ちゃんが遊びたがることもあります。
そのような場合は、老猫ちゃんがゆっくり休める場所をつくるなど、それぞれが無理なく過ごせる環境を考えてあげることもできます。
旅立ったあと、一緒に暮らしていた子の様子がいつもと違うと感じられるご家族様もいらっしゃいます。
ただし、その変化が体調によるものかどうかを家庭だけで判断することは難しいため、気になる様子がある場合には動物病院へ相談してください。
動物病院で確認しておきたいこと

老猫ちゃんの状態が変わってくると、
「これからどうなるのだろう」
「何をしてあげればよいのだろう」
と不安になることがあります。
そのようなときは、治療方法をご家族様だけで判断するのではなく、その子を診ている獣医師へ確認しておくと安心です。
例えば、次のようなことは、あらかじめ相談しておくとよいと思います。
| 確認しておきたいこと | 相談する内容 |
| 現在の状態 | 今どのような状態なのか、今後どのような変化が考えられるのか |
| 自宅での過ごし方 | 猫ちゃんが少しでも穏やかに過ごすために気をつけること |
| 食事や水分 | その子の状態に合わせて、どのように考えればよいか |
| お薬 | 今後もどのように使用するのか |
| 通院について | 通院を続ける場合の負担や、自宅で過ごす場合の考え方 |
| 急な変化があった場合 | どのような状態になったら病院へ連絡すればよいか |
具体的なお薬の量や食事の与え方については、その子の状態によって異なります。
インターネットの記事だけで判断せず、必ずかかりつけの動物病院へご相談ください。
最期に立ち会えるかどうかを、ご自分の責任にしないでください

老猫ちゃんの体調が弱ってくると、
「できるだけそばにいてあげたい」
と思われるのは、とても自然なことです。
しかし、仕事や買い物、ご家族様の用事など、生活のすべてを止めてずっとそばにいることは難しい場合もあります。
猫ちゃんは、人の予定に合わせて旅立つ時間を選んでくれるわけではありません。
ほんの少し席を外したとき。
夜中にご家族様が眠っている間。
仕事へ出かけている時間。
そのようなときに旅立つこともあります。
「最後に一緒にいてあげられなかった」
と後悔されるご家族様もいらっしゃいます。
けれど、最期の瞬間だけが、その子との時間のすべてではありません。
何年、十数年、時には20年以上、一緒に暮らしてきた時間があります。
その長い年月の中でしてあげたこと、名前を呼んだこと、ご飯をあげたこと、病院へ連れて行ったこと、一緒に眠ったこと。
そのすべてが、猫ちゃんとご家族様の時間です。
最期に立ち会えなかったことだけで、それまでの愛情がなくなることはないと思います。
21年一緒に暮らした猫ちゃんのお見送りで伺った言葉

実際のお見送りで、21年間ご家族様と一緒に暮らした猫ちゃんにお会いしたことがあります。
ご高齢のご夫婦と暮らしていた猫ちゃんでした。
そのとき、ご主人様が静かに、
「私は兄弟を4人見送ってきたけれど、それよりもつらい」
とお話しになりました。
人のお別れとペットちゃんのお別れを比べることはできません。
けれど、その言葉から、21年間という年月の中で、その猫ちゃんがどれほど大きな存在になっていたのかが伝わってきました。
若い頃には困った傷も、今では大切な思い出に
そのご家庭には、猫ちゃんが長い年月の中で残した跡もありました。
柱についた傷。
破れてしまった壁紙。
猫ちゃんが元気だった頃には、
「また傷をつけてしまった」
と思われたこともあったかもしれません。
けれど、猫ちゃんが旅立ったあと、ご主人様は、
「今となってはこれも思い出だから、交換できない」
とお話しになっていました。
新しくすれば、家はきれいになります。
でも、その傷を直してしまったら、そこに猫ちゃんがいた証のようなものまでなくなってしまうように感じられたのかもしれません。
長く一緒に暮らした猫ちゃんとの思い出は、写真や動画だけに残るものではありません。
お気に入りだった場所。
傷のついた柱。
破れた壁紙。
いつも寝ていたクッション。
少しへこんだソファー。
家の中に残された一つひとつが、その子と過ごした時間の記憶になることがあります。
20歳を超える猫ちゃんのお見送りで感じること

ペットセレモニーモアナでは、実際のお見送りで20歳を超える猫ちゃんにお会いすることも少なくありません。
20年という時間は、とても長い年月です。
ご夫婦がまだ若かった頃から一緒にいた子。
お子様が生まれる前から家族だった子。
引っ越しや仕事、家族の成長など、さまざまな出来事を一緒に経験してきた子もいます。
それだけ長く一緒にいると、「ペット」という言葉だけでは表せない存在になっていることがあります。
だからこそ、年齢を重ねた猫ちゃんとのお別れが近づいたとき、
「もう十分長生きしたから」
という言葉だけでは気持ちを整理できないこともあります。
21年生きたから、悲しみが21年分軽くなるわけではありません。
むしろ、長く一緒にいた分だけ、いなくなったあとの生活の中に、その子がいないことを感じる場面が増えることもあります。
それは、ご家族様と猫ちゃんが長い時間を一緒に生きてきた証なのだと思います。
元気なうちに、お見送りのことを聞いておいても大丈夫です

まだ猫ちゃんがそばにいるうちに、
「火葬のことを聞くなんて縁起が悪いのではないか」
「まだ亡くなっていないのに、相談するのはかわいそうではないか」
と感じられる方もいらっしゃいます。
そのお気持ちもよく分かります。
ただ、実際にそのときを迎えると、深い悲しみの中で、
「どこへ電話すればよいのだろう」
「どんなお見送りがあるのだろう」
「家族でお骨上げをしたいけれど、どのプランなのだろう」
と、一度にたくさんのことを決めなくてはならない場合があります。
事前に内容を少し知っておくだけでも、そのときのご負担が違うことがあります。
ペットセレモニーモアナの事前相談は、お見送りを急がせるためのものではありません。
お話を伺うだけでも大丈夫です。
ご家族様が、
「この子のときには、こういう形でお見送りをしてあげたい」
と考えるための一つの準備として、ご相談いただければと思います。
モアナの5つのプラン
ペットセレモニーモアナでは、それぞれのお見送りの形に合わせて、次の5つのプランをご用意しております。
- モアナ個別葬儀
- モアナ合同葬儀
- 個別火葬
- お任せ個別火葬
- お任せ合同火葬
それぞれの違いや最新の料金・内容については、「ペット火葬・葬儀プラン」をご確認ください。
ご相談は24時間受け付けております。
お電話でのご相談:0120-228-785(24時間受付)
ペットセレモニーモアナでは、ご家族様のお気持ちやご希望に合わせたお見送りをご案内しております。
訪問火葬をご希望の方は、お住まいの地域が対応エリアに含まれているか、こちらのページからご確認いただけます。
旅立ちを迎えたら、まずしてあげたいこと

どれだけ心の準備をしていても、実際に猫ちゃんが旅立ったときには、頭が真っ白になってしまうことがあります。
まず大切なのは、慌てずに猫ちゃんのお身体を整え、できるだけ早く冷やしてあげることです。
詳しい安置方法は、「ペットの遺体の安置方法|亡くなった後に自宅でしてあげられる正しい手順を解説」で詳しくご案内しております。
また、猫ちゃんが亡くなったあとに確認していただきたいことや、火葬・供養・各種手続きについては、「猫が亡くなったらまずすること|安置・火葬・供養の流れを丁寧に解説」もあわせてご覧ください。
もし動物病院で安楽死のお話があり、すでに日程が決まっている場合には、事前にお見送りについてご相談いただくこともできます。
お電話では、当日の流れやご準備について一つずつご案内いたします。
また、当日の火葬については、こちらの記事でも詳しくご案内しております。
関連記事:ペット火葬は当日でもお願いできる?
よくあるご質問

老猫ちゃんと過ごす中で、ご家族様からご相談いただくことの多い内容をまとめました。
20歳を超えています。いつ何があってもおかしくないのでしょうか?
年齢だけで、その後の状態を判断することはできません。
猫ちゃんの体調や持病、生活の様子は一頭一頭違います。
気になる変化がある場合には、年齢だけで判断せず、かかりつけの動物病院へご相談ください。
最近、高い場所へ上がらなくなりました
高齢になると、これまで好んでいた高い場所へ上がりにくくなることもあります。
ただし、その理由をご家庭だけで判断することは難しいため、急な変化や気になる様子がある場合は動物病院へ相談してください。
生活の中では、その子が無理なく落ち着ける場所をつくってあげることも考えてみてください。
一人になれる場所へ行きたがります。そっとしておいても大丈夫ですか?
猫ちゃんによっては、静かな場所を好むことがあります。
安全に過ごせる場所であれば、無理に抱き上げたり移動させたりせず、少し離れたところから様子を見守る方法もあります。
ただし、これまでと大きく違う行動が見られる場合や体調が心配な場合には、動物病院へご相談ください。
まだ元気なうちに火葬や葬儀について相談しても大丈夫ですか?
大丈夫です。
まだ一緒に過ごしているうちにお別れのことを相談することへ、後ろめたさを感じられる方もいらっしゃいます。
しかし、実際にそのときを迎えてから初めてすべてを決めるのは、ご家族様にとって大きなご負担になることもあります。
お話を伺うだけでも大丈夫ですので、ご心配なことがございましたらご相談ください。
まとめ|長く一緒に過ごした時間そのものが、大切な思い出です

老猫ちゃんの看取りには、一つの正解があるわけではありません。
できるだけ治療をしてあげたいと考えるご家族様もいらっしゃいます。
静かな自宅で、いつもの場所で過ごさせてあげたいと考えるご家族様もいらっしゃいます。
抱っこをしてあげたい。
そっとしておいてあげたい。
お気に入りの場所へ行きやすくしてあげたい。
その一つひとつが、ご家族様がその子のことを考えて選ばれた形です。
21年間一緒に暮らした猫ちゃんのお見送りで、
「兄弟を4人見送ってきたけれど、それよりもつらい」
とお話しになったご主人様がいらっしゃいました。
そして、猫ちゃんが残した柱の傷や破れた壁紙を、
「今となっては思い出だから交換できない」
とお話しになっていました。
長い年月の中で残された傷は、そのご家庭にとって、単なる傷ではなくなっていたのだと思います。
そこに猫ちゃんがいたこと。
元気に走り回っていたこと。
爪を研いでいたこと。
ご家族様と一緒に暮らしていたこと。
家の中に残ったものまで、その子との大切な思い出になることがあります。
看取りという言葉を聞くと、「最期に何をしてあげればよいのか」を考えてしまうかもしれません。
けれど、猫ちゃんとの時間は、最期の数日だけではありません。
これまで一緒に過ごしてきた何年、十数年、二十年という毎日があります。
その積み重ねこそが、その子へ届けてきた愛情なのだと思います。
そして、そのときが近づいたと感じられたら、すべてをご家族様だけで決めようとしなくても大丈夫です。
体調や過ごし方については、かかりつけの動物病院へ。
お見送りについて分からないことがございましたら、ペットセレモニーモアナへ。
お話を伺うだけでも大丈夫です。
ご家族様と猫ちゃんが、最期までその子らしい時間を過ごせるよう、できる限りお手伝いさせていただきます。
お電話でのご相談:0120-228-785(24時間受付)
